テレワーク移行に失敗しないための準備フロー【個人編】

投稿者: telework 投稿日: 2020年11月17日2020年11月19日

新型コロナウイルス感染予防のために急速に普及したテレワークという働き方は、決して一時しのぎのようなものではなく、「ニューノーマル（新しい常識）」として広く定着していくとみられています。
テレワークの体制を構築するのは企業側ですが、それを利用して実際に働くのは、会社に所属している従業員たちです。従業員の側でも、テレワークに移行するための準備を進めておく必要があります。
「テレワーク導入に失敗しないための準備フロー【企業編】」という記事では、企業側がテレワーク導入の際に準備すべきことを解説しましたが、本記事では、勤め先でテレワーク導入が決まった、もしくは会社のテレワーク制度を利用したい方向けに、従業員の側として準備しておくべきことを解説します。
会社にテレワーク導入を提案する際にも参考にしてみてください。

【ステップ１】会社と協力して、就業規則を決めておく

テレワークにおける就業環境は、当然のことながら、オフィスでの就業環境とは大きく異なりますので、従来の就業規則とは別に、テレワークを踏まえた就業規則を企業側と協力して決めていくことが必要です。
もし次のようなことがまだ決まっていないようであれば、会社と話し合ってルール化し、書面に落とし込んでもらいましょう。

どの場所で勤務を行うのか
週何日、何時から何時まで就業するか
休憩時間はどのくらい取るか
業務をしてはいけない時間帯は何時から何時までか
テレワークに必要な機器は会社から貸与するのか、自前で用意するのか
テレワークで発生したコストは誰が支払うのか

こうした項目を含む就業規則があれば、テレワークに伴う基本的なトラブルが発生することを防げるでしょう。

【ステップ２】テレワークを行うために申請を行う

さて、テレワークに移行したいからと言って、すぐに始められるわけではありません。上司や担当部署など、指定された先へ届出を出して許可をもらう必要もあります。
1週間前や2週間前など、いつまでに申請を行えばよいか、事前に確認しておきましょう。審査によっては、テレワークができない場合もあるかもしれません。

【ステップ3】テレワークに使うツールを、使いこなせるように操作を覚える

テレワークに移行すると、さまざまなツールを活用して業務を行っていくことになります。
たとえば、

チャットツール
Web会議ツール
勤怠管理ツール
会計ツール
RPAツール

といったものです。
テレワークを行う従業員はこれらツールの操作を覚え、問題なく使いこなせるようにしておいたほうが、スムーズにテレワークに移行できるでしょう。
テレワークが本格的に導入される前後には、会社が研修を開くはずですので、積極的に参加して、ツールの操作などを習得しておきましょう。

【ステップ4】自宅でモチベーションを維持できる工夫をする

テレワークで在宅勤務を行うということは、基本的に、同僚も上司もいない一人だけの業務環境になるということです。黙々と仕事を続けていると、モチベーションをうまく維持することが難しくなってしまう人もいるかもしれませんね。
ひとりで就業していてもモチベーションを保てるよう、ちょっと工夫をすることが必要です。
たとえば次のような工夫はどうでしょうか。

集中力が上がる音楽を聴きながら、仕事に向かう
夜更かしするなど生活リズムを変えないで、健康的な生活を行う
服装を整え、だらけないようにする

些細なことの積み重ねかもしれませんが、こんなことでもやるのとやらないのとでは、結果的に生産性に大きな違いが出るはずです。自分に適したテレワーク環境を作ってみてください。

【ステップ5】セキュリティに関する心構えを持っておく

オフィスで働いているときは、社内の情報セキュリティ部門が構築したセキュリティ体制がしっかりと守ってくれていたので、あまりリスクを意識するようなことはなかったかもしれません。しかし、社外で働くとなることになると、セキュリティリスクについての認識は十分に高めておくことが必要です。ソフトなどによって技術的に安心できる仕組みを構築することはできますが、最後は一人ひとりの意識が最大のリスクになります。ヒューマンエラーで外部に情報が漏洩するなどの危険もあります。
リモートワークに移行する前に、セキュリティに関する最低限の心構えを整えておきましょう。
たとえば、

社内から資料を持ち出すときは、事前に担当者へ許可をもらう
カフェといった外部で仕事を行うときは、画面を盗み見られないようにしておく
パソコンやスマホのソフトウェアは常にバージョンアップを掛け、古くならないようにする

といった心構えをしておくことで、セキュリティリスクに遭遇する危険性を多少なりとも軽減できます。
くわしくは「テレワークで忘れてはならないセキュリティ対策とは」という記事で詳しく説明していますので、合わせて参考にしてください。
問題が起きた際は会社全体に迷惑をかけてしまうので、十分気を付けましょう。

【ステップ6】リモートでも円滑にコミュニケーションを行えるようにしておく

誰とも会話せず自宅にこもって仕事に没頭していると、心身に悪い影響が出てくる可能性もあります。
Web会議ツールやチャットツールなど、同僚と気軽にコミュニケーションできるツールを積極的に利用しましょう。
チャットツールでは掲示板のように文字での会話ですから、相手の顔が見えませんが、Web会議ツールでは相手の顔を見ながら会話できます。チャットツールにも、ChatworkのようにWeb会議機能を搭載しているものがあります。オンライン飲み会といったイベントにも参加すれば、楽しい気分を味わえるかもしれません。
仕事を進めるにあたって、オフィスのように細かな話し合いは不足しがちになりますので、分からないことは積極的に聞こうと考える姿勢が大切です。内容があやふやのまま作業を進めると間違った方向性に進んでしまい、トラブルになる危険性もありますので、注意しましょう。
また、パソコンでの仕事はどうしても運動不足に陥りがちです。ふと気がつくと一日の大半をモニターの前で過ごしていたということになりかねませんので、定期的に席を立って気分を変えたり、屈伸運動などをしたり、ときには近所を散歩したりといったことは絶対に必要です。テレワークでは健康を維持することが大事なのです。

心身の健康を保ちながら、生産性を上げていこう

今回は、従業員視点でテレワークに移行するときに準備すべきことを解説しました。
会社と相談しながら就業規則を確認し、申請をしっかり取ってテレワークに移行しましょう。モチベーションを保てる工夫を行いながら、リモートでも積極的にコミュニケーションする心構えを保てば、安心して仕事が進められます。セキュリティについても十分注意しましょう。

ぜひテレワークに慣れて、柔軟な働き方を実現してみてください。